サステナビリティ推進担当者にとって、営業代行は「サプライチェーンの一部」として評価対象になり得る存在だ。ところが導入は営業部門主導で決まるケースが多く、ESG観点でのチェックが後回しにされがちという構造的な課題がある。

なぜサステナビリティ担当者が営業代行に関わるのか

近年は取引先のCSR・ESG状況を含めたサプライヤー評価を求める動きが広がりつつある。営業代行は直接の仕入先ではない。それでも労働環境や個人情報の取扱いなど、自社のESG方針に影響しうる委託先として位置づけられる。

具体的な連携ポイント

営業部門が委託先を選定する段階から、サステナビリティ担当者が評価軸を提供できると理想的だ。

  • 委託先の労働環境(過度な成果主義や長時間労働の有無)を確認する
  • 個人情報保護・コンプライアンス体制を評価項目に含める
  • 自社のサプライヤー行動規範への同意を委託契約に組み込む
  • 定期的な(年1回程度の)アンケートやヒアリングでCSR状況を継続確認する
評価軸確認内容位置づけ
労働環境稼働時間・離職率の傾向社会(S)の観点
コンプライアンス法令遵守体制・監査履歴ガバナンス(G)の観点
情報管理データ保護・セキュリティ体制ガバナンス(G)の観点

ポイント:営業代行のESG評価は定量化が難しい分野だ。完璧な指標を求めるより、まず行動規範への同意取得から始める方が現実的になる。

注意すべき視点

営業代行業界は成果報酬型のインセンティブ構造が強く、過度な成果主義が現場の労働環境に負荷をかけている可能性も否定できない。契約条件そのものが委託先の労働環境に与える影響まで、サステナビリティ担当者は視野に入れておきたい。見直しの機会は契約更新だ。1年ごとを目安に、労働環境やコンプライアンス体制を再確認する運用が現実的になる。

環境(E)の観点も視野に入れる

営業代行の評価は労働環境やコンプライアンスといった社会・ガバナンス面が中心になりがちだが、訪問型の営業活動を委託している場合は、移動に伴う環境負荷という環境(E)の観点も無視できない要素になる。オンライン商談への切り替えを委託先に促せるか、訪問と非対面をどう使い分けているか。こうした運用実態の確認も、サプライヤー評価の一部だ。ただ、営業代行にとって訪問は成果に直結する手段でもある。環境配慮を理由に活動を過度に制約すると、本来の営業成果を損ないかねない。

よくある質問

Q. 営業代行会社にESGアンケートを実施することは一般的か A. まだ広く定着した慣行とは言えないが、取引先評価の一環として導入する企業は増えつつある。

Q. 中小規模の営業代行会社にはどこまで求めてよいか A. 大企業と同水準の体制整備を求めるのは現実的でない。行動規範への同意や基本的な情報管理体制の確認から始めるのが妥当だ。

Q. サステナビリティ担当者は契約交渉に直接関与すべきか A. 交渉自体は営業・調達部門が担うのが一般的だ。評価基準の提供や助言という形で早期に関与する方が効果的になる。

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