商社の営業は、扱う商材が多岐にわたる上、長年培った人脈やネットワークに依存する部分が大きく、他業界のように標準化されたセールスプロセスに落とし込みにくい業種だとされる。既存事業の深耕と新規事業の開拓を同時並行で進める必要があり、限られた営業人員でどこまで手を広げられるかが常に課題になりやすい。新規事業領域の開拓は初回接点から取引開始まで半年〜1年程度を要することも珍しくない。

人脈資本という商社営業の代替しにくさ

商社の強みは「誰に何を売るか」以上に「誰が誰を知っているか」という人脈資本にあるとされ、属人的なネットワークが取引の成否を左右する場面が多い。この特性ゆえに、営業活動全体を一律で外部化するのは難しく、部分的な切り出しが現実的なアプローチになる。

既存事業と新規事業で分かれる決裁ルート

商社の新規事業開拓は、事業部単位での稟議に加え、リスク管理部門の与信審査を経る場合が多い。決裁関与者は事業部・リスク管理部門を合わせて3〜5名程度に及ぶことも珍しくなく、既存事業の深耕営業とは異なる意思決定ルートを通ることも多く、社内調整に時間がかかりやすい。

営業活動の種類主な決裁ルート特徴
既存事業の深耕事業部内で完結しやすい人脈ベースでスピーディ
新規事業開拓事業部+リスク管理部門与信審査等で長期化しやすい

人脈の届かない領域を切り出す委託設計

  • 新規事業領域における市場調査を兼ねた初期アプローチ
  • 未開拓業界・企業へのテレアポ・アポイント獲得
  • 展示会・商談会での名刺獲得後のフォロー架電
  • 既存取引先以外への横展開提案の一次接点づくり

一方、既存の人脈を活かした大型商談や与信判断を伴う取引条件の詰めは、自社の商社パーソンが担うべき領域であり、営業代行はあくまで新規接点の量産役として位置づけるのが妥当だ。委託する場合、新規開拓担当2〜3名に自社の事業開発担当1名が連携する体制が想定しやすい。

ポイント:商社における営業代行の役割は「人脈の代替」ではなく「人脈が及ばない領域の裾野を広げる」ことにあると捉えるのが現実的だろう。

与信審査と商習慣、外部委託の勘所

商社特有の商習慣や取扱商材の幅広さを踏まえ、営業代行に依頼する領域は絞り込んだ方が成果につながりやすい。新規事業の仮説検証段階など、まだ社内の人脈が及んでいない領域から着手するのが実務上のセオリーといえそうだ。

Q&A

Q. 商社の営業活動は営業代行に向いていますか。 A. 既存の人脈営業は代替が難しい一方、新規事業開拓の初期接点づくりには営業代行が向いている。

Q. 与信審査が必要な取引先開拓も任せられますか。 A. 与信判断そのものは自社のリスク管理部門が担う必要があり、代行会社には接点獲得までを任せる形が現実的だ。

Q. 新規事業と既存事業、どちらに営業代行を活用すべきですか。 A. 人脈が及んでいない新規事業領域の方が、営業代行導入の効果を実感しやすい。

Q. 商社特有の商習慣を営業代行にどう教育すればよいですか。 A. 過去の商談事例や業界用語集を用いた事前研修に加え、定期的な同行フィードバックを重ねることが効果的だ。

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