採用担当者(HRBP)にとって、営業代行の導入は「営業の採用が不要になる」という単純な話ではない。むしろ、自社で採用すべき役割と外部に委ねる役割の線引きを明確にする作業が必要になり、人員計画そのものの見直しを迫られることが多いだろう。
なぜHRBPが営業代行の話に関わるのか
営業代行が新規開拓を担う一方、既存顧客対応やインサイドセールスの一部機能は自社採用で強化するといった判断が生じやすい。この線引きが曖昧なままだと、採用計画と営業代行の稼働範囲が重複したり、逆に空白が生まれたりする恐れがある。
ポイント:営業代行の導入は「採用しない理由」ではなく「どこを採用で埋めるかを明確にする機会」として捉えるほうが建設的だろう。
具体的な連携ポイント
- 営業組織全体の機能(新規開拓・既存対応・マネジメントなど)を洗い出す
- 営業代行が担う範囲と自社採用で担う範囲を図示してすり合わせる
- 営業代行導入後の採用計画(人数・時期)を見直すタイミングを決める
| 機能 | 想定される担い手 | 採用計画への影響 |
|---|---|---|
| 新規開拓 | 営業代行 | 採用数を抑制しやすい |
| 既存顧客対応 | 自社 | 継続的な採用が必要 |
| 営業マネジメント | 自社 | 経験者採用の優先度が高い |
注意すべき視点
営業代行を理由に採用を止めすぎると、将来的に自社の営業ノウハウが蓄積されないリスクがある。外部委託と内製化のバランスは、事業フェーズに応じて定期的に見直す姿勢が求められるだろう。
評価制度・等級設計への波及
営業代行の導入は、既存の営業職の評価制度にも影響を及ぼしうる。新規開拓を外部に委ねる分、自社の営業には既存顧客対応や折衝力など異なる評価軸が求められるようになるためだ。従来の「新規受注件数」を中心とした評価基準のままだと、社内で担うべき役割と評価項目がずれてしまい、優秀な人材ほど評価に納得感を持ちにくくなる懸念がある。HRBPとしては、営業代行導入のタイミングに合わせて等級要件や評価項目を見直す機会と捉え、営業責任者と早めにすり合わせておくことが望ましいだろう。評価軸の変更は既存社員の納得感に直結するため、変更の背景や意図を丁寧に説明するプロセスも合わせて設計しておきたい。
よくある質問
Q. 営業代行導入後、営業職の採用は完全に止めるべきですか。 A. 既存顧客対応やマネジメント人材の採用は継続するケースが多く、完全停止は現実的でないとされる。
Q. 採用計画にはどのタイミングで営業代行の情報を反映すべきですか。 A. 導入決定後、稼働範囲が固まった段階で人員計画に反映するのが望ましいだろう。
Q. HRBPが営業代行会社と直接やり取りする必要はありますか。 A. 稼働範囲の把握のため、営業責任者を通じて概要だけでも共有を受けておくとよい。
Q. 将来的な内製化を見据えた準備はできますか。 A. 営業代行のノウハウやトークを社内でも記録・共有しておくと、将来の採用・育成に活かしやすいとされる。