営業マネージャーの管理人数は「多いほど効率的」と単純に語られがちだ。実態は違う。1on1や同行、案件レビューといった個別対応の時間が確保できなくなると、育成の質が急速に落ちる。組織拡大期ほど、この設計は後回しになる。

適正人数を左右する要因

管理範囲の適正値は営業スタイルや案件の複雑さによって大きく変わる。定型的な商材の反復営業であれば10名前後まで許容されるケースもある一方、複雑な提案型営業では5〜6名が目安だ。

営業スタイル別の目安

営業スタイル管理人数の目安
反復・定型営業8〜10名
提案型・法人営業5〜7名
新人育成中心のチーム4〜5名
  • プレイングマネージャーであれば上限はさらに下がる
  • 人数が多い場合はリーダー職を中間に置く二層構造も一案
  • SFA/CRMの活用で管理負荷を一定緩和できる

ポイント:管理人数が適正範囲を超えると、マネージャーは「対応する人」から「消火する人」に変わりやすい。

管理範囲を見直すきっかけ

適正な管理人数は固定値ではない。事業やチームの状況が変われば、目安も動く。

見直しのサインになりやすい兆候

  • 1on1の実施率が下がり、面談が形骸化している
  • マネージャーが案件の個別対応に追われ、育成の時間が取れていない
  • チーム内で成果にばらつきが大きくなっている

こうした兆候が見られた場合、管理人数そのものだけでなく、業務の一部を移譲できないか(案件レビューの一部をリーダー職に任せるなど)も含めて見直したい。

見直し時に検討する選択肢

選択肢効果が期待される場面
中間リーダー職の新設管理人数が目安を大きく超えている場合
定型業務の一部委譲・ツール活用個別対応以外の業務負荷が高い場合
チーム再編・人数の再配分メンバーの成果や特性に偏りがある場合

適正化は一度きりでは終わらない。組織の成長段階に合わせて、継続的に調整していくものだ。

増員計画との関係

管理範囲の目安を決めずに増員だけを先行させると、後から中間管理職を急ごしらえで置くことになりがちだ。採用計画を立てる段階から、何人を超えたら次のリーダー職を置くかをあらかじめ決めておく。そうすれば育成の質を落とさずに組織を拡大しやすい。

よくある質問

Q. リモートワーク主体だと管理人数は変わるか。 A. 対面より接点が減る分、やや少なめの設計が現実的だ。

Q. 新人が多いチームでは人数を減らすべきか。 A. 育成負荷が高いため、通常より少なめに設定する組織が多い。

Q. 管理人数を測る客観的な指標はあるか。 A. 1on1実施率や案件レビュー頻度が間接的な指標になりうる。数字そのものより、低下の傾向が出ていないかを見たい。

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