不動産会社向けのSaaS営業は、対象企業のITリテラシーに大きな幅があることが特徴だ。大手デベロッパーのようにDXが進んだ企業もあれば、紙とFAXが中心の中小仲介会社も少なくない。同じ業界内でのITリテラシー格差が、営業トークやアプローチ方法を画一化できない要因になっている。
大手デベロッパーと中小仲介、決裁速度は正反対
| 企業タイプ | 決裁者 | 検討の重点 |
|---|---|---|
| 大手デベロッパー | 情シス・経営企画(2〜3名程度、検討3〜6ヶ月程度) | 既存基幹システムとの連携 |
| 中小仲介会社 | 経営者(社長自身、1〜2週間程度で決裁) | 現場の使いやすさ・価格 |
中小企業では社長のトップダウン判断が多く、初回商談での印象が受注確度に直結しやすい。一方、大手は情報システム部門を巻き込んだ長期の検証が必要になる。
ITリテラシー格差が営業トークを画一化できなくする
長年の商慣習(紙の契約書、電話・FAXでの物件確認など)が根強く残る業界であり、新しいツールの導入は「業務が楽になる」という実感を持たせられるかどうかがカギになる。加えて営業担当者・仲介担当者は日々の業務に追われており、新規ツールの検討に時間を割きにくいという事情も影響している。
都市部と地方で異なるツール受容度
同じ中小仲介会社でも、都市部と地方では営業スタイルへの受容度に違いが見られることがある。都市部では独立系の仲介会社でもIT投資に前向きなケースが増えている一方、地方では地域に根差した人的ネットワークを重視する商慣習が根強く、ツール導入よりも担当者との関係性構築が優先される場面も少なくない。営業代行を選定する際は、対象エリアの商習慣に慣れた担当者をアサインできるかどうかも、確認しておきたいポイントの一つだろう。
リスト作成とデモ調整は代行へ、業務分析は自社へ
- 企業規模・エリア別のリスト作成とテレアポ(テレアポ担当2〜3名+デモ対応1名という体制が目安)
- ITリテラシーに応じたトークの出し分け(初回ヒアリングで見極め)
- デモ実施の日程調整
- 既存業務フローのヒアリングと自社への共有
ポイント:「導入で何が変わるか」を現場担当者の言葉で語れるかどうかが商談化率を左右する。営業代行にはヒアリング力を重視した選定が望ましい。
段階的な移行プランで現場の抵抗感を減らす
既存の業務フローを大きく変えない導入設計(段階的な移行プランなど)を提示できると、現場の抵抗感を減らせる。初回接点後は月1回程度の継続フォローを重ねることで、検討が長期化しやすい大手デベロッパー案件でも商談を維持しやすい。営業代行には、単なる機能説明にとどまらず、現場の困りごとをヒアリングする力を求めたい。
よくある質問
Q. ITリテラシーが低い企業への営業は難しいか A. 専門用語を避け、業務改善の具体像を示す説明が有効だ。営業代行のトーク設計次第で成果は変わってくる。
Q. 大手企業への営業代行活用は現実的か A. 初期接点の獲得までは有効だが、技術検証段階からは自社主導に切り替えるのが妥当だ。
Q. 既存業務フローの調査も依頼できるか A. 簡易的なヒアリングまでは対応可能だが、詳細な業務分析は自社側で行うのが望ましい。
Q. 中小の仲介会社への提案で意識すべき点は A. 価格と導入後の運用負荷の少なさを分かりやすく伝えることが、商談化のポイントになる。
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