営業代行会社を比較していると、ほとんどの会社が料金を「要問い合わせ」としていることに気づく。料金だけでなく、実際のコール履歴、録音データ、コール数、通電数、アポイント数といった稼働の中身についても、開示に消極的な会社は少なくない。なぜこれほど非公開が多いのか、その背景を考えてみたい。

「1コール」の中身は実は幅広い

営業代行の料金や実績を比較する際、多くの人が見落としがちなのが、「1コール」「1件の担当接触」「1アポイント」といったカウントの単位そのものに、かなりの幅があるという点だ。

例えば「1コール」と一言でいっても、実務上は次のようなケースがすべて同じ「1コール」としてカウントされうる。

架電した結果...
  ├─ 数コール音で切電した                  ┐
  ├─ 留守番電話にメッセージを残した          ├─ いずれも
  ├─ 3コール鳴らして応答がなかった          ┤   「1コール」
  └─ 相手が応答し、会話が成立した           ┘

会話が成立してもしなくても「1コール」であることに変わりはない。件数だけを見せられても、その中身がどのような架電の積み重ねなのかは、外からは分かりにくい。

「担当接触」にも幅がある

同じことは「担当接触」というカウントにも当てはまる。受付を通過して担当者につながった、という状態を指す言葉だが、そこに至るまでの伝え方には幅がある。

受付を通過する際の伝え方
  ├─ 用件をそのまま正直に伝える
  └─ 「〇〇様とお約束をいただいている」など、
     実態とは異なる伝え方で取り次いでもらう

いずれの場合も、担当者につながれば「担当接触」としてカウントされる。しかし、後者のような伝え方は、担当者側からすると事前の約束がないのに「約束がある」と伝えられていたことになり、企業の信頼を損ねるリスクをはらむ。

「アポイント」の質にも大きなグラデーションがある

そして最も分かりにくいのが、「アポイント」という言葉が指す中身の幅だ。同じ1件のアポイントでも、実際にはこれだけの質の違いがありうる。

[質が低い]                                          [質が高い]
押しの強いトークで      商品説明はしたが      会話の中で興味を
取り付けた挨拶アポ  →  興味の反応は薄いアポ  →  持ち始めたアポ

数字の上では同じ「1アポイント」でも、商談化率・受注率にはまったく違う結果をもたらす。アポイント数という指標だけを見て営業代行会社を評価するのが難しい理由は、ここにある。

なぜ、格安で提供できる会社があるのか

営業代行会社の中には、利益率を考えると驚くほど格安な料金を提示してくる会社もある。これは、いわば新聞折込チラシに近い発想で捉えると理解しやすい。安く大量にばらまく分、1件あたりの原価を抑えているということだ。

原価を抑える方法の一つとして、比較的低い報酬でも採用しやすいリモート勤務のアポインターを中心とした体制を組む会社もある。もちろんリモート勤務自体が悪いわけではないが、拠点が分散する分、トークの質や対応のばらつきを均一に管理することは、対面・常駐型の体制に比べて難易度が上がりやすい。

そして、料金・件数・録音といった情報の開示に消極的な会社が多い背景には、開示することで、こうしたカウントの中身や管理の実態が明らかになってしまうことへの懸念があるのではないかと見ている。

安さだけで選んだ結果、うまくいかなかったという声

このような構造があるため、料金の安さだけを基準に営業代行会社を選んだ結果、期待していた成果につながらなかったという声は少なくない。ラクスルBPOにも、そうした経験を経て相談にいらっしゃる企業は一定数ある。

ラクスルBPOが透明性を重視している理由

こうした業界の実情を踏まえ、ラクスルBPOでは透明性を重視した運用を心がけている。架電の録音データも共有し、質の低いアポイントについては費用をいただかない、という考え方を採っている。

私たちは、単に「営業代行」というサービスを始めたのではなく、依頼企業の「営業部」そのものを引き受けるつもりで事業を行っている。もし社内に営業部があったら、その活動内容や成果が見えないということはないはずだ。それと同じように、外部に委託した場合でも見えるべき情報は見える状態にしておく、というのが私たちの基本姿勢である。

よくある質問

Q. すべての営業代行会社が非公開というわけではありませんか。 A. 会社によって開示の方針は異なり、料金や実績を積極的に公開している会社もある。非公開だからといって一概に問題があるとは限らないが、選定時には開示姿勢そのものも判断材料の一つにするとよいだろう。

Q. 「アポイント」の質を事前に見極める方法はありますか。 A. 契約前に、アポイントの定義(どのような状態を1件とカウントするか)を具体的に確認しておくことが有効だ。可能であれば、過去のトーク例や録音のサンプルを見せてもらうのも一つの手段になる。

Q. 安い営業代行会社を選ぶこと自体は避けるべきですか。 A. 一概には言えない。料金の安さの背景にどのような体制・カウント方法があるのかを確認した上で、自社の目的に見合っているかを判断するのが現実的だろう。

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