印刷・製版業界は、デジタル化の波と価格競争にさらされ続けてきた業界だ。既存顧客との関係は深いものの、新規開拓の営業力が育ちにくいという課題を抱える企業も多い。営業代行の活用は、この積年の弱点を補う手段として検討されている。

価格競争の中での差別化の難しさ

印刷業界の営業では、価格勝負に陥りやすい構造がある。

  • 印刷物という商材自体はコモディティ化しやすい
  • ネット印刷の普及により、単純比較で価格の安さが選ばれやすくなった
  • パッケージ印刷や特殊加工など付加価値領域でしか差別化しにくい

営業代行を活用する際は、単なる「印刷できます」ではなく、企画提案力や納期対応力といった付加価値をどう伝えるかがトークスクリプト設計の核になる。

ポイント:価格訴求ではなく、企画・提案面での強みを軸にしたアプローチが差別化につながりやすい。

既存顧客の深耕という選択肢

新規開拓だけでなく、既存顧客への深耕営業も印刷業界では重要なテーマだ。DM印刷を発注している顧客にパッケージ印刷を提案する、といったクロスセルの機会は見落とされがちである。営業代行を新規リストへの架電だけでなく、既存顧客への追加提案の掘り起こしに活用する企業も見られる。新規架電担当2〜3名程度の体制で、既存顧客へは四半期に1回程度の頻度で追加提案の連絡を入れると、機会を取りこぼしにくい。

決裁プロセスと発注担当者の実態

印刷物の発注は、マーケティング部門や広報部門の担当者レベルで決まることが多く、比較的決裁は軽い部類に入る。ただし単価の大きい案件や年間契約になると、購買部門が入ってくることもある。

案件規模主な決裁者
単発・小ロット現場担当者(即日〜1週間程度で決裁)
年間契約・大ロット購買部門・経営層(2〜3名程度が関与、1〜2ヶ月程度で決裁)

業界特有の商談タイミング

印刷業界の需要には季節性がある。年賀状は10〜12月、カレンダーは同じく年末にかけて、決算期の会社案内は3月前後に需要が集中しやすい。営業代行のアプローチ計画を立てる際は、こうした繁忙期の1〜2ヶ月前に接触を終えておく設計が有効だ。

デジタル化への対応という切り口

Web制作やデジタルサイネージなど、印刷以外の周辺領域に事業を広げている印刷会社も増えている。営業代行を活用する場合、従来の印刷需要だけでなく、こうした新領域への提案余地がある顧客層を見極める視点も必要になる。

よくある質問

Q. 既存顧客への深耕営業も営業代行に任せられるか A. 追加提案の掘り起こしを目的とした架電であれば、依頼可能な会社は少なくない。

Q. 印刷業界の商談はいつ行うのが効果的か A. 年賀状やカレンダーなど季節商材は、繁忙期に入ってからでは商談自体が組みにくくなる。繁忙期の1〜2ヶ月前を目安に接触を終えておくと動きやすい。

Q. デジタル領域への展開提案も営業代行で対応できるか A. 対応可否は依頼先による部分が大きく、事前に周辺領域への知見があるか確認しておくのが望ましい。

あわせて読みたい

近い業種や似た課題を扱った記事です。

業界別の営業代行活用の記事は「業界別・企業規模別の営業代行活用ガイド」に一覧でまとめています。自社の業界で商談が取れるかを小さく試したい場合は、月1件から依頼できるBtoB営業代行(完全成果報酬)があります。